公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年7月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「45.7」と3か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲1.2ポイント低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.2」と4か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲4.3ポイント低下した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「46.3」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+1.3ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.2」と4か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲5.1ポイント低下した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年7月25日~31日
回答者数 170/189名、回答率 89.9% (全国1,841/2,050名、89.8%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(コンビニ)…来客数は前年比が100%を超える日が出てきている。気温上昇も後押しし、客単価は102%程度で推移している。1日の売上は前年比100%を安定的に超えてきている。
(衣料品専門店)…市内はワクチンの接種も進んできて、地域的には少し前向きな状況になってきているが、首都圏などの感染拡大で旅行などもできない状態で需要にブレーキが掛かる。また、暑い日が続き、外出もしづらい日も多くなっている。
(家電量販店)…AV商品、特にテレビなどは東京オリンピック需要などもあり好調に動いている。特に有機ELなどの販売比率が増えてきている。単価アップにつながっている。エアコンは前半暑さがなかったために前年よりもやや売上が低かったが、中盤以降暑くなり、梅雨も明けたために売上が上がっている。白物家電全般で好調である。
(住関連専門店)…どちらかというと高齢者を対象に商いをしている当店としては、高齢者のワクチン接種が2回目まで進み、動きが活発になってきて、販売量の動きが少し増えてきている。お盆が近いということもある。
(観光型旅館)…ワクチン接種や景気刺激策により少しずつではあるが動きが出てきている。しかし、警戒感からか前年よりも動きが鈍い。
(遊園地)…依然新型コロナウイルスの影響が大きいものの、イベントを実施した4連休が好天に恵まれて、前年を上回り、単月ながらコロナ禍以前のレベルとなった。
(美容室)…暑くなってくると髪の手入れをしたくなる客が多いようなので良くなっている。
(設計事務所)…民間案件の引き合いは順調に推移し受注へつながっていることから、客の運営状況は良いとみられる。
(食料品製造業)…週末のイベント開催やワクチン接種が進んできたせいか人の動きが良くなってきており、駅売店等の売上は前年より好調に推移している。しかし新型コロナウイルス発生以前から比べれば7割程度である。お中元の動きも好調で前年比ではプラスになっている。しかし、東京で感染が再拡大しており不安である。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…東京オリンピックが始まったことが一般消費に良い影響を与えている。巣籠りになるので家の中での食生活が多くなり、物量関係も伸びている。
(新聞社[求人広告])…ワクチン接種の停滞感と東京オリンピック無観客開催や首都圏の再度の緊急事態宣言などの影響もあり、七夕祭りも実質開催されないなど現時点で少し動きが止まっているが、接種の済んだ高齢者の旅行需要、旅館予約は改善している。個室のある飲食店でも予約が回復している。
(職業安定所)…小売・サービス業のパート求人は減少しており、一部の業種は厳しい状況が続いているものの、全体の求人数は増加しており、企業の採用意欲はアフターコロナを見据えて高いものとなっている。

○「変わらない」
(百貨店)…新型コロナウイルスの感染状況は比較的落ち着き、購入量も前年並みに戻りつつあるものの、来客数の回復はいまだ鈍い状況であり、身の回りの景気に進展はみられない。
(スーパー)…東京オリンピックが始まり、買物の傾向が変化してくるのではないかとみている。夕方からのテレビ視聴が増え、買物は午前中に集中の傾向がある。夕方の客単価が伸びず、結果トータルでの売上が前年を割る状態となっている。
(高級レストラン)…宴会、食事会が月間で数回しかない。
(タクシー運転手)…買物帰りのタクシー利用者の荷物が少ない。聞いてみると、買物は楽しいから、必ずしも必要な商品ではないが、欲しい商品の中から選んで購入していると話す。この状況は春先から変わっていない。
(通信会社)…前月同様、良くも悪くも変化がない。東京オリンピック需要もなく消費動向も控えめなため、小売業界の値引き合戦が目立っている。この状況が続くと売上は伸びるが利益が少なくなる。よって、消費動向は伸びているが利益は横ばいのため変わらず、小売業界の低迷は続く。
(農林水産業)…春の遅霜と部分的なひょうの被害があり、果物農家でもいろいろな作物に影響が出ている。
(建設業)…公共工事の設計変更による受注が一定数あった。
(広告代理店)…東京オリンピック関連の業務が中止になるなど、コロナ禍によって引き続き先行きが見えない状況である。
(人材派遣会社)…コロナ禍のビジネスの仕組みに慣れてきた企業において、景気が上向いて求人を出す企業が増えてきた。しかし、東京オリンピック開催や4連休が明けてから先行き不透明な状況になったことで、採用を見合わせる企業がちらほら出てきており、中旬以降は若干失速気味になっている。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…新型コロナウイルスの影響で、夏~秋に掛けての祭り、イベントが軒並み中止若しくは規模縮小となり、景気はやや悪化している。
(乗用車販売店)…半導体不足の影響がじわじわと業績を圧迫している。受注台数自体は一定数獲得できているものの、納車までの期間が長すぎるため車両キャンセルも発生してきている。
(その他専門店[白衣・ユニフォーム])…夏場の売上がとにかく少ない。イベントや祭りの中止に伴い、Tシャツやクリーニングといった関連する商材の売上がほとんどない。また、飲食店の夏場の制服の切替えなども一切ないので非常に厳しい。
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…前年の同月、3か月前、前月のいずれと比較しても、来場組数は低水準での推移となっている。
(出版・印刷・同関連産業)…官公庁はじめ民間大手からの受注が一向に回復していない。イベント開催や特需に結び付くような受注がない。
(公認会計士)…客の月次、決算状況から判断している。小売、飲食業、サービス業関係は相変わらず低空飛行である。ここに来て建設業関係の業績が悪化傾向にあり、全体としての景気はやや悪くなっているとみられる。

○「悪くなっている」
(一般小売店[医薬品])…時間短縮営業が解除されてぽつぽつと繁華街にも人出が戻ってきたので、このまま良い状態になると思っていたが、21日から再び市内全域で時間短縮になり、ゴーストタウンに戻ってしまった。
(一般レストラン)…東京オリンピックが当地会場で開催されているため、時間短縮要請が再度出されて午後9時までの営業となっている。来客数はかなり少ない状態である。
(旅行代理店)…個人旅行においては夏休みの予約取消しが増加傾向にあり、秋シーズンの予約も減少傾向にある。直近での新型コロナウイルス感染者数の増加により、取消しと新規予約を控える動きに逆戻りしてしまっている。団体旅行では小中高校の修学旅行や遠足など教育旅行団体のみではあるが9~11月に集中しての出発を迎える予定がある。しかし、今後中止が相次ぐと危機的状況に陥る。

 

(2)先行き判断理由

○「良くなる」
(建設業)…今の景気の下振れリスクについては、新型コロナウイルス感染症の拡大いかんである。ただ、ワクチン接種は進んでおり、東京オリンピックも始まっているので、これで感染症が落ち着いてきたらそれを契機に上向くものとみている。
(新聞社[求人広告])…今後、若年層までワクチン接種が進み、東京オリンピック・パラリンピック終了後も感染拡大が抑えられていれば、人の動きは一気に活発化し経済は動き出すとみている。多くの企業がそのように予測し、そのときの準備をしている。

○「やや良くなる」
(通信業)…人気の機種の新型発売の時期のため、購入者が増える見込みである。
(広告業協会)…ワクチン接種が順調に進み、生活するなかでの安心感が生まれる状態になれば、購買意欲も活発になり、販売促進費の増大が期待できる。
(職業安定所)…小さい店舗の廃業がみられるものの、全体としては新型コロナウイルスの影響が収まってきている。東京オリンピック後の感染者数が今後の景気を左右しそうである。製造業における設備投資については上向きな声が聞こえる。

○「変わらない」
(商店街)…秋になってもワクチン接種は進まず、地元の行事はまだまだ自粛が続くとみている。
(自動車備品販売店)…秋の紅葉シーズンになるが、ワクチン接種が進まないなか感染者数も急増しており、見通しが立たない。
(住関連専門店)…まだまだ新型コロナウイルスの影響が多大である。感染者数も増えてきているので、急激に回復するということはあり得ない。
(高級レストラン)…新型コロナウイルスの感染がある程度の収束を見ない限り、業界が良くなることも店が良くなることもあり得ない。
(美容室)…新型コロナウイルスの感染者数は増加傾向にあるが、ワクチンの接種率によって大分変わってくる。そう考えると、3か月後くらいでは大幅な改善は厳しいので、しばらくは現状が続くとみている。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…ワクチン接種の広がりが鍵とみるが、若年層にまで接種が広がるには、年内一杯掛かるのではないかと予想している。
(人材派遣会社)…新型コロナウイルス感染、東京オリンピック開催の影響、ワクチン接種遅れなど不確定要素が多く見通せない。

○「やや悪くなる」
(スーパー)…ワクチンの接種率がどの程度増加しているかが買物動向にも影響してくるとみている。それゆえに2~3か月後の予測は立てにくい。
(コンビニ)…東京オリンピックが開催されていることは良いとしても、恐らく感染拡大は8月一杯続き、感染者数は過去にないくらいの数字になるのではないかとみている。2~3か月先はその収束によるし、ワクチン接種も進むと思うが、今の時点では良くなるとは考えにくく、むしろ悪くなっていくのではないかとみている。
(旅行代理店)…夏休みでの売上が伸びず、秋シーズンの売上が仮に伸びたとしても夏休みの売上減少分をカバーするには到底追い付かない状況であり、旅行業としての景気は現状よりも悪化傾向にある。前年度はGo To Travelキャンペーンにより売上減少の補填があったものの、このまま予約状況が回復しないとなれば前年度を大きく下回る結果になる。
(その他サービス[自動車整備業])…東京オリンピックを機に上向くかと期待していたが、コロナ禍の危機は拡大するばかりである。頼みのワクチン接種も進んでいない状況では、秋に向けてもっと悪くなるのではないかと不安が募る。
(農林水産業)…ここ最近の降雨不足と高温により、米やその他の作物の生育が悪影響を受けると予想される。
(食料品製造業)…ここに来てまた新型コロナウイルスの感染者が急増している。観光需要の早期回復を目的とした各施策もしばらくは動かないのではないかとみている。東京オリンピックが終了し、ワクチン接種が進むことで回復することを期待したい。

○「やや悪くなる」
(一般レストラン)…新型コロナウイルス感染者数がどんどん増えてきている。このような状態が続くと、また緊急事態宣言が続くので、良い流れになるとは思えない。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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